債権回収の方法で気を付けるべきポイントとは?回収の流れや注意点を解説

債権回収とは

債権回収は、貸し付けた金銭や商品・サービスの代金を回収することを指します。これには、

大きく分けて非訴訟手続きと訴訟手続きの二つに分類されます。また、以下のようにそれおぞれにいくつかの方法もあります。

債権回収の方法

非訴訟手続き

非訴訟手続きは裁判所を介さずに債権を回収する方法です。例として以下のような方法が含まれます。

【直接請求】

電話やメール、訪問などを通じて債務者に直接連絡を取り、支払いを求める方法です。

【内容証明郵便】

内容証明郵便を用いて正式な請求書や催促状を送付し、法的な証拠を残します。この方法は、相手に強い印象を与え、法的手続きの前段階として有効です​。

法的手続き

法的手続きは裁判所やその他の法的な機関を介して債権を回収する方法で、以下のような手段があります。

【支払督促】

裁判所に支払督促の申立てを行い、債務者に支払いを求める公式な命令を発する方法です。申立書を郵送する、又はオンラインによる申し立てが可能である点が特徴です。

【民事調停】

裁判所での調停を申し立て、裁判官と調停委員の仲介で双方が納得のいく解決を目指します。調停が成立すれば、調停調書が交付され、それに基づいて債権回収が行われます​​。

【訴訟(通常訴訟および少額訴訟)】

債務者が支払いを拒否した場合に、裁判所に訴えを提起する方法です。少額訴訟は、60万円以下の小額の請求に適用される比較的簡単で迅速な手続きです​​。

【強制執行】

調停や訴訟で得た判決をもとに、裁判所の協力を得て債務者の財産を差し押さえるなどして債権を回収する方法です。

債権回収の流れ

債権の確認と評価

まず、回収すべき債権の詳細を確認します。これには、債務者の情報、債権の金額、債権発生の背景、支払期日、これまでの交渉履歴などが含まれます。債権の合法性と回収可能性もこの段階で評価します。

催告(請求通知)

催告は、債務者に対して支払いを正式に求める手続きです。通常、内容証明郵便で行われ、書面には支払いを求める明確な要求と、期限を設けます。このステップは、後の法的手続きで債権の存在と請求が確実に行われたことを証明するため重要です。

交渉と和解

可能であれば、債務者と直接交渉を試み、和解に至ることが望ましいです。和解交渉では、一括払い、分割払いなど、双方にとって受け入れ可能な条件を模索します。合意に至った場合は、和解契約を文書化し、両者が署名します。

支払督促

交渉が失敗した場合、裁判所に申し立てを行い、裁判所が債務者に支払いを命じる公的な手続きです。債務者が異議を唱えなければ、そのまま強制執行に移行することができます​​。

訴訟手続き

支払督促に対して異議が申し立てられた場合、または支払督促が適用できない場合には、訴訟を起こすことになります。訴訟では、債権の存在と金額を裁判所で争い、判決を得ます。これには通常訴訟と少額訴訟があります。

強制執行

裁判所の判決や調停による和解調書を基に、債務者の資産に対して強制執行を行います。これには、銀行口座の差し押さえ、給与の差し押さえ、不動産の競売などが含まれます。

債権回収する場合の留意点

債権回収を行う際には、債務者の現住所の確認、財産の把握、そして債務者が債務整理を行った場合の対応が重要な留意点となります。以下に、これらのポイントについて解説します。

債務者の現住所の確認

債権回収において、債務者の正確な現住所を確認することは非常に重要です。これは、法的手続きを進める際に正式な通知や書類を債務者に正しく届けるために必要となるからです。債務者の住所が不明または最新でない場合は、内容証明郵便や法的通知が適切に届かず、手続きが遅れる原因となります。住所確認の手段としては、公的な登録データや信用情報機関を利用する方法があります。

債務者の財産の把握

効果的な債権回収のためには、債務者が所有する財産の状況を把握することが必要です。財産の詳細を知ることで、回収可能な資産が何であるか、そしてどのように回収手続きを進めるべきかの計画が立てられます。債務者の財産には不動産、預金、株式、その他の価値ある物品が含まれることがあります。財産調査は、公的な記録、金融機関、またはプライベートな調査会社を通じて行うことができます。

債務者が債務整理を行った場合

債務者が債務整理を行うと、債権回収のプロセスは複雑になります。債務整理には自己破産、民事再生、任意整理などがあり、それぞれ異なる法的影響が債権回収に及ぼされます。例えば、自己破産の場合、債務者の財産は破産管財人が管理し、債権者は破産手続きを通じて回収を試みることになります。債務整理が行われた場合は、迅速に法的アドバイスを求め、適切な手続きを確認することが重要です。

弁護士に依頼するメリット

債権回収の方法は多岐にわたりますが、より効率的かつ効果的な方法を選ぶには弁護士に依頼するのが勧められています。弁護士に依頼することには以下のようなメリットがあります。

専門的知識と経験をもつ

弁護士は法律の専門家であり、債権回収に関連する法的手続きに精通しています。法的な複雑さを理解し、適切な法的手段を選択することで、効率的に債権を回収することができます​ ​。

強い交渉力によって回収可能性を引き上げることが可能

債権者と債務者の間で交渉を行う際に、弁護士はその交渉力を活かして債権者に有利な条件を引き出すことができます。また、弁護士が介入することで、債務者に対して強いプレッシャーを与えることができるため、弁護士名義の内容証明郵便を送付するだけでも債権回収が解決することも多々あります。

精神的負担を軽減することが可能

債権回収は時に精神的な負担が伴います。弁護士に依頼することで、債権者は日常業務に専念できるようになり、専門家が複雑な法的問題を処理してくれるため、心理的な負担が軽減されます。

法的リスクの最小化

適切な法的アドバイスを受けることで、法的な過ちや訴訟リスクを最小限に抑えることができます。弁護士は法的な落とし穴を避けるための戦略を立て、債権者の権利を保護します。

経済的な効果

弁護士であれば複数存在する手段の中から最適な方法を選ぶことができるため、迅速かつ適切に回収を進めることが可能です。外部に依頼することで費用を懸念される企業様も多くいらっしゃいますが、最適な方法を選ぶことで回収額を最大限引き上げることが可能となり、結果的に費用対効果が高くなるケースも珍しくありません。

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当事務所では、これまでに債権回収・売掛金回収トラブルにおける豊富な解決実績があります。

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