2021年7月号

東京オリンピック開催も秒読み状態に入りました。梅雨が明けたとたん、毎日猛暑が続いておりますが、顧問会社の皆様にはお変わりございませんでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影がちらつく日々ですが、オリンピックをテレビで観戦しながら、健やかな夏を過ごしたいですね。
さて、今月は「働き方改革推進支援助成金」についてご案内いたします。
この助成金の申請期限は、令和3年11月30日となっていますが、割り当てられた予算額に達した時点で、申請の受付が終了となります。昨年度は本年度よりも多めの予算が配分されておりましたが、10月に受付が終了いたしました。本年度は割り当てられた予算額が昨年度より少ないので、早ければ8月末には申請の受付が終了する可能性もあります。
顧問会社様において、労働能率アップのための設備や機器の導入を考えていらっしゃいましたら、この助成金を受給できる可能性がありますので、ぜひ当事務所にご一報下さい。

「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」について

1 助成金の概要

時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備を行うことを目的として、労働能率の増進の役に立つ機器の導入などを実施した中小企業事業主に経費の一部が助成されます。

2 支給対象となる取組み

外部専門家によるコンサルティング、労務管理担当者や労働者に対する研修、就業規則・労使協定等の作成変更なども支給対象となりますが、導入の費用が高く、助成金額が大きいのは、「労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新」です。

3 対象となる事業主(①〜③の要件を全て満たしている事業主)

① 労災保険に加入していること
② 中小企業事業主であること
③ この助成金を受給するため「事業実施計画」を提出した時点で、就業規則に「使用者による年次有給休暇の時季指定の対象となる労働者の範囲と時季指定の方法」が記載されていること

4 助成金受給のため成果目標を選択する(①〜③の中から1つ以上選択する)

① 令和3年度又は令和4年度内において有効な36協定について、時間外労働と休日労働の時間を短縮して、
ア 時間外労働と休日労働の合計時間数を、月60時間以下に設定する
イ 時間外労働と休日労働の合計時間数を、月60時間を超え月80時間以下に設定する
※現状の36協定の時間外労働と休日労働の上限が80時間~60時間以上の設定になっている事業者が対象
② 特別休暇(有休)の規定を1つ以上新たに導入する
特別休暇:病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症に関する休暇、不妊治療に関する休暇等
③ 時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入する

※選択した成果目標の内容により、助成額の上限が異なってきます。

5 助成額

① 補助率 3/4
(事業規模が30名以下の事業所で、導入した設備・機器の経費が30万円を超える場合の補助率は4/5)
② 助成上限額(ア〜ウの合計額)
ア 時間外労働と休日労働の合計時間数を削減する場合
・現在有効な36協定で時間外労働と休日労働の合計時間数を月80時 間超にしている事業所
→月60時間以下に設定した場合:100万円
→月60時間超え80時間以下に設定した場合:50万円
・現在有効な36協定で時間外労働と休日労働の合計時間数を月60時 間超にしている事業所→月60時間以下に設定した場合:50万円
イ 特別休暇の規定を新たに導入した場合:50万円
ウ 時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入した場合:50万円

6 助成上限額の加算が行われる場合

労働者(雇入れ後3月を経過しない労働者を除く)の時間当たりの賃金額の引き上げを3%以上又は5%以上行なった(なお、その旨を就業規則に記載する)場合、助成上限額の加算がなされます。
① 3%以上引き上げた場合
引き上げ人数1〜3人:15万、4〜6人:30万、7〜10人:50万、11人以上1人当たり5万円(上限150万円)
② 5%以上引き上げた場合
引き上げ人数1〜3人:24万円、4〜6人:48万円、7〜10人:80万円、11人以上1人当たり8万円(上限240万円)

7 助成対象となる上限額が定められている経費

① 労務管理担当者に対する研修…10万円
② 労働者に対する研修、周知・啓発に関わる事業…10万円
③ 外部専門家によるコンサルティング…10万円
④ 就業規則やその他の規程、(36協定以外の)労使協定の作成・変更に係る経費…10万円
36協定の変更に係る経費…1万円
就業規則やその他の規程、労使協定の届出に係る経費…1万円
⑤ 人材確保に向けた取組みの事業に係る経費…10万円
※いずれも、これらの事業の受注者が、申請事業主、申請代理人、提出代行者又は事務代行者の場合は、不支給となります(自己取引による不正防止のため)

8 助成金受給手続の流れ

① 事業実施計画を添付して交付申請書を提出する
※令和3年11月30日火曜日まで必着(予算がなくなったらこれより前に締め切られる可能性あり)
② 労働局雇用環境均等室にて受付・審査後、交付・不交付の決定(通知)
③ 交付決定の通知を受けてから事業を実施する
(設備・機器の導入、36協定の作成・変更・届出など)
※交付決定後に発注・契約を行うこと!
④ 事業実施計画を踏まえて改善事業を実施し、事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後までに支給申請書を提出する
※助成対象経費の範囲は、交付決定日から支給申請日までに実際に支出したもののみ。原則、銀行振り込みとする。クレジットカードや手形・小切手で支払った場合、支給申請日までに口座から引き落とされていない場合は、助成対象外となる。
※消費税は助成対象経費から除外する
※令和4年2月10日まで必着
⑤ 労働局雇用環境均等室にて支給・不支給の決定(通知)
⑥ 助成金の受取り

9 その他注意事項

① 交付決定後に事業を中止又は廃止する場合
→「働き方改革推進支援助成金事業中止・廃止承認申請書」を提出する
② 事業が事業実施予定期間内に完了しない見込みとなった場合
→「働き方改革推進支援助成金事業完了予定期日変更報告書」を提出する
ただし、事業実施期間が令和4年1月31日を超える変更は認められない
③ 労働局長から報告を求められたときは「働き方改革推進支援助成金事業実施状況報告書」を提出する。また、労働者の賃金引上げを実施して、助成金を支給された事業主は「働き方改革推進支援助成金支払状況報告書」を提出する

10 交付申請時の提出書類

① 交付申請書(様式第1号)
② 事業実施計画(様式第1号別添)
③ 就業規則の写し(←時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について就業規則に記載があるか確認のため)
④ 就業規則の写し(←特別休暇の導入、時間単位の年次有給休暇の規定について就業規則に記載があるか確認のため)
⑤ 36協定届の写し(←労働時間短縮の設定を行うとき)
⑥ 対象労働者の交付申請前1月分の賃金台帳の写し、労働時間がわかる書類(出勤簿やタイムカード)の写し(←助成金上限額の加算を行うとき)
⑦ 見積書写し(←適正な価格か判断するために相見積をとる)

※事業実施計画の証拠書類として
① 労働時間等設定改善委員会の参加者名簿、議事録、話し合いを行なったときの写真
② 労働時間等に関する相談窓口担当者を設置した旨の周知文書、掲示した場合はその状況の写真
③ 事業実施計画の周知を行った旨の周知文書、掲示した場合はその状況の写真

11 まとめ

以上のとおり、助成金の申請には多くの書類が必要となりますので、本助成金に関心がおありでしたら、お早めに当事務所までお問い合わせ下さい。